富士登山

出発前夜から、合宿所のようになった銀河で、皆集合して、わくわくどきどき。

渋滞を見越して、出発を早朝2時にしたため、9時前くらいにはバスで五合目に到着できました。

先発隊を見送った後、バスの冷房で体調を崩してしまった息子達と東京からの合流者を待って昼前に八合目を目指しました。

のぼりはじめてすぐ、なんとミンさんと小学生のキョウくん、ビフテキ2世に出会いました。キョウ君が高山病でリタイアすることになり、二人は、下山。
ビフテキ2世は、みんなの水のほか、3人分の荷物をもってくれていました。

はてしなくつづくキツイ登山道、すれ違う下山者は、みんなつかれきって、顔は、ほこりで真っ黒け。明日は、わが身だなあ。。。

それぞれのペースで登るため、皆には、先に上ってもらい、一番スローペースの、私の実の妹と、二人どん尻を登っていきました。

休むごとに、眼下に小さくなってゆく下界が、雲間から見えます。
それは、それは本当にすばららしい光景。ずっと後ろから登ってくる小さな人影・・・ゆっくりでも、こんなに登ってきたんだ~!

だんだん夕暮れが迫り、ふりかえると、眼下の雲海に富士山がくっきりと影を落としています。境界線が虹色です。

みとれながらも、先に進まないと八合目の皆に追いつけません。
妹の足も遅れがちなので、途中の山小屋に宿泊するように言い、単身登っていきました。

気が付くと、もう真っ暗、下界の町の明かりが遠く東京のほうまできらめいています。見上げると、満天の星、流星をいくつも見ました。
気温が急に下がり風も出て来て、防寒ジャケットを着込み、ヘッドライトを装着しました。

途中、いろんな人に追い越されたり追い越したり、声をかけると、外人も多く、見ず知らずの方々といろんな言葉で励ましあいました。でも、ほとんど、一人・・・。

先に登った、仲間たち、娘達や息子、そして、置いてきた妹・・・
自分も体力を消耗しきって、気がかりでも、這い蹲るように登るのが精一杯。

八合目に到着出来た時は、泣きそうでした。
私が、やっと、寝ようとすること、そこに、なんと妹が到着!!!
よくもまあ、この真っ暗な中をあのペースで登ってきたものです。
何度も、途中の山小屋にしようと思ったけれど、もう一つ上まで、もうひとつ上までとおもいながら登ってきたのです。
その妹を見たとき、今度こそ私のほうがなきそうになってしまいました。
山小屋の夕食は定番?のカレーでした。
寿司詰めの山小屋で早朝の登頂のため、横になると、ぐっすり眠りに落ちました。。。

といいたいところですが、
今度は、誠也くんと、ビフテキ2世が熱、ヘタな薬より、ねてもらうしかない・・・。  つづく

早朝、2時外は、なんと雨。
体調不良者を残し、みんなで支度して登り始めましたが、冷たく吹きつける雨、強い風・・・
無理はやめよう!果敢な6人の女性が登頂をめざし、私たちは、八合目の山小屋に戻りました。でも、そこは、悪天候でごった返し、さっきまで自分たちが寝ていたところには、誰かが、もうねていました。ぬれた防寒着を脱ぎ、何とか隙間を見つけ、よこになると、娘もあっという間に寝息。
やはり、もどったみんな体力は限界だったんなだなあ。。。


「もうじきご来光です」
元気な山小屋のおっさんの声で目覚め、外に出ると、すぐ目の下にひろがる雲海に赤~金色の光のすっごいおひさまがのぼってきました。
あ~~~登頂した6人も今ごろは天候が回復してこれをみているんだ!流れ星もみれたかなあ。

もう一寝して体力をとりもどし、みんなで、有馬家のお米で作ったおかゆを食べました。なんとか、無事下山できますように・・・。

登頂の4人がもどり、順次下山する頃、今まで2度トライして、お供のサポートのため山頂に立てなかったビフテキ2世と、サンアイさんが登頂することに。
彼等なら、下山の私たちに必ずおいつくはず!
私たちの分まで、登れなかったみんなの分も託します!!!

それにしても富士山恐るべし!!!
登りもさることながら、
須走の下山道!きゃ~~~~~なにこれ~~~っ!!!

ごろごろした岩交じりの荒い砂の直滑降!!!
見下ろすだけで、目が回りそう!

それでも、力を抜いて、ずず~~~っずず~~~っと滑り降りるコツをつかむと、面白いように下ってこれます。
あはは~もう体が、言う事を利かなくなってそれさえも出来なかったんだけど・・・。

そして、やっぱり~~~
ビフテキ2世さんと、サンアイさんに追い越されました。

登頂で、体力がほとんど残っていないミドリさんと節ちゃん
高山病?で朦朧としている誠也君・・なんども待ちながら
木陰で休んでいると、

胸元に素朴な木の十字架を下げた青年が通りかかりました。
気になって声をかけると、韓国の青年「キム」さんでした。
キムさんは、日本語教育を勉強しているそうで、私が渡した名刺の漢字まで、すっかり読むことが出来ました。
「私たちは、神さまに愛されています!」という十字架の御旗を掲げて、これから自転車で、横浜~水戸~仙台~青森~稚内を回るそうですので、見かけたら、応援してあげてください。


思いがけないところで、しばしの祈りの時間が与えられました。
つかれきったからだと心に喜びが満ち溢れてくるのを感じました。

遠くの登山道から、何十人もの子供達が呼びかけてきます。
こちらの下山者は、疲れきって、だれもこたえることができませんでした。

でも、私は、この青年とであったお陰で、大きな声で、
「お~~~~い!!!」
こちらから、返事を返すと 何十人もの子供達が満足そうに大きく手を振ってこたえてくれました。
この出逢いがなければ、こんな元気は出なかった・・・。

その後、すれ違う見ず知らずの人々と笑顔をかわすことさえ出来るほどになりました。本当に素的なゴール!

やっと、須走愚口で全員合流、バスで「紅富士の湯」で温泉につかり、腹ごしらえそして、お世話になったハイテクオジイを駐車場におくってから、帰路につきました。

予想通り、中央道は、大渋滞・・・でも、皆ぐっすり
2人の運転手さんが安全を守ってくれている安心感・・・
9時には蓮田。東北道はスムーズに流れています。
ぐっすり眠れたお陰で、みんなの血色も良いようです。
バスの中で、一人一人の健闘と、無事帰るまで守ってくださった神さまへの感謝と、富士の裾野のように、私たちを支えてくれた たくさんの方々への、たくさんの感謝で本当に胸がいっぱいになりました。

11時には、銀河のほとりに無事戻ってこれました。

ミドリさん、ビフテキ2世さん、ハイテクオジイさん、
さっちゃん、サンアイさん、由美子さん
ふーみんさん、みいちゃん、ミンさん、キョウくん
節ちゃん、まどかちゃん、なっちゃん 良っちゃん
誠也君、望、空、水生、
そして、ばあちゃん
本当に、ありがとうございました。
素晴らしい体験を分かち合う事が出来、本当に心から感謝しています。
ありがとう!ありがとう!ありがとう!

正直のところ、もう二度とこんな苦しい思いはいやだよ~と何度も思ったけれど、
実は、またトライするために八合目にとどまった私です!

一生に一度は富士山頂!!!

今度は(今度も)、ご一緒にいかがです?


ばあちゃんも、なんども転びましたが、おかげさまで怪我一つしませんでした。
そのかわり、杖の上にしりもちをついたので、
伸縮自在の杖が骨折!! このぐらいで済んだと、最後の大笑いでした。


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